多言語対応

外国語の問い合わせが多いサイトにAIチャットを置くとき、確認すべき3つのこと

株式会社サンノート / 2026年9月18日

自治体の窓口案内、学校の入学・生活案内、ホテルや観光施設の予約・アクセス案内。外国語の問い合わせが日常的にあるサイトは、AIチャットボットが最も役に立つ場所のひとつです。「言葉が分からないから電話しにくい」「担当者が外国語を話せない」という双方の壁を、AIは下げられます。ただし、製品の「多言語対応」という言葉には幅があります。回答が外国語で返ってくることと、外国語の質問に正しく答えられることは別です。多言語のサイトを想定して実測し、分かった「確認すべき3つのこと」をまとめます。

1. 訳してから探しているか

ホームページの内容を答えるAIチャットボットは、質問に近い箇所をサイトの文章から探し、それを材料に回答します。サイトが日本語で書かれていて、質問が韓国語だったらどうなるか。多くの製品は「AIが多言語に対応しているので、そのまま探せます」と説明します。理屈の上ではそうなのですが、実際に測ると精度が一律に下がります。

実測:日本語の料金案内に対して、韓国語で「上限を超えると追加料金がかかりますか?」と聞いたときの検索の手応え(スコア)は 0.176。ところが、まったく無関係な質問の最大値が 0.199 でした。関係ある質問のほうが、無関係な質問より低いのです。これでは、どこで線を引いても正しく選り分けられません。

対策は単純で、質問をいったんサイトの言語(日本語)に訳してから探すこと。同じ質問は訳した後で 0.364 になり、無関係な質問(訳後の最大 0.253)とはっきり分かれました。サンノートAIはこの方式で、答えは訪問者の言語で返します。

確認方法は、デモで日本語のサイトに外国語で「料金の細かい条件」を聞くことです。営業時間のような短いFAQは語がそのまま重なるので、訳さなくても当たってしまい、差が見えません。

2. ふりがなが本文に混ざっていないか

自治体や学校の「やさしい日本語」のページは、全文にふりがなが付いていることがあります。HTMLでは <ruby>外国人<rt>がいこくじん</rt></ruby> のように書かれていて、取り込み方が雑だと本文が「外国人がいこくじんのための窓口まどぐち」になります。

こうなると、検索にも回答にも「がいこくじん」が混ざります。検索の手応えは落ち、AIの回答文にふりがなが漏れ出すこともあります。ふりがなを除いて取り込むのは技術的には一手間ですが、やっていない製品は珍しくありません。

確認方法は、管理画面で取り込んだ本文を見ることです。サンノートAIでは登録データの本文をそのまま確認・編集できるので、「がいこくじん」が混ざっていないかは一目で分かります。

3. 何語まで、どの精度で対応するのか

「90言語対応」のような数字は、そのまま受け取らないほうがいいです。AIモデルが理解できる言語の数と、製品として精度を確認した言語の数は別だからです。サンノートAIも90言語モードを用意していますが、設定画面ではっきり書いています。「自動(主要4言語に限定)」よりも回答精度が落ちる場合がある、と。

設計はこうなっています。

設定動き向いている場面
自動(おすすめ)日本語・英語・中国語(簡体字/繁体字)・韓国語の質問にはその言語で回答。それ以外の言語には英語で回答ほとんどのサイト。文字の種類で言語を判定するので速く、確実
90言語AIが質問の言語を判定し、その言語で回答ベトナム語・ネパール語・タガログ語など、英語では届かない利用者が多い場合
固定常に指定した1言語で回答英語版サイトに英語のチャットを置く、など

ボタンや入力欄などの画面の表示は、訪問者のブラウザの言語に合わせて11言語(日本語・英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語・ベトナム語・タイ語・インドネシア語・フィリピン語・ネパール語・スペイン語・ポルトガル語)で切り替わります。自治体や学校の多言語ページで実際に使われている言語に合わせたものです。ホテルなら英語・中国語・韓国語で大半をカバーできます。

実測:多言語で案内している公共施設のサイトを想定した検証用のナレッジを用意し、11言語それぞれで「答えられるべき質問」5問と「答えてはいけない難しい質問」3問、計88問を投げたところ、87問で期待どおりの結果でした。唯一の不一致は「手続きを代わりにやってもらえますか」という質問に対し、「手続きについて相談できます」と答えたもの。根拠のある回答ではありますが、質問の核心(代行してもらえるか)には答えていません。こういう境界の事例は、数字だけでなく中身を見ないと分かりません。

導入時にお願いしていること

まとめ

多言語対応で確認すべきは、「訳してから探しているか」「ふりがなを除いているか」「何語をどの精度で対応するのか」の3つです。どれも製品紹介には書かれにくく、デモで意地悪な質問をしてみるか、取り込んだ本文を見るかしないと分かりません。

サンノートAIは、日本語のサイトのURLを登録するだけで、多言語で実測を経た仕組みがそのまま動きます。自治体・学校・ホテルなど、外国語の問い合わせが多いサイトをお持ちなら、ご自身のサイトで試してみてください。

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